70 80年代ホラー映画の愛すべき殺人鬼②

80年代に入るとオカルト系の映画は下降気味になってきました。

悪魔や呪いというものから殺人鬼やクリーチャーやゾンビというものに人気が集まり『13日の金曜日』『エルム街の悪夢』『死霊のはらわた』などが登場します。

昔『死霊のはらわた』をパッケージの写真につられて借りたのですが
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これは一体!?という不思議な感情に駆られました。

自分としてはめっっちゃ怖い映画を借りてきたつもりだったのですが観れば観るほど怖くない。かと言って笑わしてるつもりもないのかな?けど笑っちゃう。

葉っぱでもやってんのか?と思いたくなるような内容でした。
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しかし不思議と『死霊のはらわた2』『キャプテンスーパーマーケット』まで観てしまいました。

キャプテンスーパーマーケットまでいくと完全にコメディを意識している作品になっていましたがとにかく主演のブルース·キャンベルのやり遂げた感が凄いです。

ちなみに『死霊のはらわた』のリメイク版が2013年に出ているそうですが画像を見ると地下から扉を押し上げて来る女ゾンビが全然怖くないです。

美人なゾンビです…。

やっぱりオリジナルでしょ・ω・

 さて80年に出てきた映画と言えば『13日の金曜日』と『シャイニング』があります。


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『シャイニング』は惨殺事件のあったいわく付きのホテルで見えない力によって男が狂人に変わっていく話ですがジャック·ニコルソンもさることながら妻役を演じたシェリー·デュバルも迫真の演技でした。

彼女が叫んだ時のインパクトのある顔はジャック·ニコルソンの迫力に負けないように意図的に選ばれたものらしいです(´ε`;)

監督のスタンリー・キューブリックは非常にスパルタな指導を彼女に指示し何度もリテイクを重ね彼女のパフォーマンスをけなし精神的に追い込んでボロボロにしてあの名シーンを撮ったそうです。


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当時のエピソードを知ると本当に可哀想になってしまいます(;_:)

そんな彼女は2002年に表舞台から退いて現在は精神病と闘っているそうです。本当に大変な人生だと思います。

 ジャックが扉を壊して顔を出す有名なシーンもたったの2秒間ですがここのカットを3日間もかけたそうで彼にとってもかなりハードな撮影だったらしいです。

これって実はキューブリックが一番の狂人なんじゃないでしょうか(^_^;)

 こだわり抜いた結果ジャック·ニコルソンの狂いっぷりも素晴らしいものになりましたが。

 

80年代ホラーは70年代の暗いオカルト映画に比べてファンタジー要素や恐怖の中にコメディタッチの要素のある映画もよく見られました。

エルム街の悪夢』のフレディもハットに赤と黒のセーターという今までの殺人鬼にはなかったオシャレなコスチュームがトレードマークという恐怖の中に愛嬌を感じるキャラクターでしたし『クリープショー』『ポルターガイスト』『バタリアン』などもコメディ要素やファンタジー要素がありホラー映画は暗くて怖いものだけではなくなってきました。


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個人的にはこういった方向性はあまり好みではありませんが。

なぜならホラー映画はう〜んと怖くあって欲しいからです。

 

地球上の殺人鬼だけでなく宇宙からの殺人鬼にも恐怖しました。

『エイリアン』です。

『エイリアン』は子供の頃に観て手のひらが汗だくになるくらいドキドキしました。

エイリアン2』もとても面白かったのですが最初の『エイリアン』に比べるとヒリヒリ感がなくなって数との戦いになってる印象でした。


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体内から逃げた一匹のエイリアンが船体のどこに潜んでいるか分からない恐怖。

脱皮を繰り返してどんどん巨大化し凶暴化を増大させていく。

ラストで絶命したと信じてホッとするリプリーの後ろに船体の一部となって同化しているエイリアンを見た時は度肝を抜かれました。

 

それから8年後新しい異星人が登場します。

プレデター』です。

プレデターはエイリアンと違い本能だけではなく人間同様に知能を持っているところも新しいと思いました。
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シュワちゃんとの心理戦が何とも言えず楽しく釘付けになってしまいます。

やはり歳月を経ても面白い映画は変わらず面白いんだと思います。

 

殺人鬼というキャラクターは悪役なのですがそれ故に強烈な存在感とカリスマ性を感じてしまいます。

悪役にカリスマ性とは少しおかしいかもしれませんがなぜかヒーローより惹きつけられる悪役は多々存在します。

そんな殺人鬼のキャラクター性に私達はわくわくさせられたりする事も少なくないと思います。
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70、80年代に数々の巨匠達がホラー映画を生み出し当然の様に娯楽としてテレビでも放映されていた時代に終止符が打たれる事件が起こりました。

埼玉で起きた幼女連続殺人事件です。

犯人の所有していた多くのビデオテープの中からスプラッター系のビデオテープが見つかりそこからホラー映画=害悪なものという印象になってしまいパッタリとテレビで放送しなくなってしまいました。

日本でも数々の猟奇的な殺人事件はありますがこういったホラー映画が直接事件に影響を及ぼすという様な事があるのでしょうか?

教育上悪いと言われればそれまでですがまともな人間であれば子供でも娯楽ということの判断はつくはずです。

 ここ最近は物事の規制だらけで息苦しい世の中になってきたかなーと思います。

逆にルールが多すぎて自由な発想の出来る子供が育たないのでは?とも思います。

 最近の民放の映画と言えば無難な邦画かジブリアニメばかり。

確かに無害で夢の様なストーリーでクレームも来ないでしょう。

私自身もジブリアニメは大好きですが何回も繰り返し放送されるとう~んもういいかな…という様な気がしてきます。

ホラー映画が観たい人はレンタルや映像配信サービスなどで観ればいいのですがテレビ番組の内容も痩せてきたもんだなと感じる今日このごろです。

 

映画界では90年代に入るとまた新しい殺人鬼達が現れ私達はわくわくさせられます。

 
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映画界に留まらずゲーム界でも彼らは永遠に人気者として新しい刺激を与えてくれる事でしょう。